「羽二重(はぶたえ)餅」は福井の銘菓
「羽二重餅」は福井県の銘菓の一つです。
柔らかくふんわりとした触り心地の白い粉で覆われたお餅で、見た目も高貴で格調の高さをうかがえます。
贈答用としても、人気が高いです。
味も、上品で程よい甘さなので、どんな年齢の人にも喜ばれるでしょう。
歴史を見てみよう
では、「羽二重餅」の歴史を見てみましょう。
「羽二重餅」の起源となった餅菓子は、越前福井藩松平家の御用達だった錦梅堂の初代紅谷伊三郎によって藩主の捧げるお茶菓子として作られたのがきっかけで、土産物や贈答品として売られるようになったのです。
そののち、この餅菓子は「福井銘菓 羽二重餅」という名で皇室にも献上されるようになり、内覧博覧会での数々の賞を受賞しましたし、共進会でも高い評価を受けました。
業界最高栄誉賞は数十回受けていますので、確かな実績のある福井の銘菓なのです。
その味は確実に評価されていると言って良いでしょう。
「羽二重餅」の由来について
「羽二重餅」の名前の由来ですが、当時もてはやされていた羽二重(はぶたえ)織物にちなんで名付けられたようです。
ここで、当時有名だったという羽二重織物について、ご紹介しましょう。
羽二重織物について知るには、織物の仕組みを知っておいた方が良いです。
織物において、たて糸とたて糸の間隔をうまく整える役割をするものを羽(は)といい、羽と羽の間に糸を二本通した物を羽二重と言います。
こういった織物は、明治の時代にヨーロッパに渡った使節団が海外から、もってきたもののようです。
このようなしくみの織物が後に、羽二重織となりました。
「羽二重餅」の特徴を挙げてみる
羽二重餅の特徴は、ふんわりとした柔らかさでしょう。
その柔らかさは、手で簡単にちぎれるほどのもので、一口単位でちぎりながら上品にゆっくり食べることができます。
このことから、お年寄りがのどに詰まらせることもないでしょうし、小さいお子様も食べやすいでしょう。
まさに、万人のために作られている美味しいふんわりとした餅菓子なのです。
原料はどんなものが使われているか
羽二重餅の原料はとてもシンプルです。
それは、砂糖と水あめと餅粉で、こういったシンプルなもので粘りを出すというのは、かなりの技術でしょう。
また、粘りのみでなくコシを保つというのも、技術を要することです。
こういった技術は、秘伝で受け継がれています。
このように、シンプルな原料で繊細に作られていますので、賞味期限は短いです。
冷蔵庫で保存すると、でんぷんの主成分アミノペクチンがだめになってしまいますので、常温で保存しなければいけません。
1日で食べきれない場合は、冷凍保存をすると良いです。