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パウンドケーキ

チョコケーキとパウンドケーキ

イギリスで作られた簡単なバターケーキ

パウンドケーキは専用の四角い型の中に入れて焼き上げるタイプのケーキです。
焼きあがると細長い長方体に膨らむので、型から取り出して数センチの厚さに切ってクリームなどをつけて食べます。

「パウンドケーキ(Poundcake)」という名称は、原材料である小麦粉・バター・砂糖・卵をそれぞれ1ポンド(454g)ずつ等分に混ぜて生地を作ることから付けられた名前です。

フランスでは同じお菓子を「カトル・カール」と言い、これは「4/4」という意味を持っています。
これも「パウンドケーキ」と同じく4つの材料を同じ分量で混ぜて作ることからきた発想で、あまりお菓子作りが得意でない初心者でも簡単に作れて覚えやすいところが大きな利点です。

お店で売られている場合にはシンプルな4つの原料だけのパウンドケーキはそれほど多くなく、生地の中にドライフルーツやチョコチップなどを入れて味に変化をつけています。

パウンド型を使って焼き上げればあまり細かく定義しなくても「パウンドケーキ」と呼ぶことができるので、アレンジしやすくそのお店独自の製品にすることもできます。

イギリスの祝日に作られる「パーキン」

パウンドケーキによく似たお菓子に「パーキン」というイングランド北部のリーズという町に伝わる焼き菓子があります。

形はパウンドケーキそのままなのですが、砂糖の代わりに甘味料であるブラックトリークルとゴールデンシロップを使い、さらに生地の中に小麦粉だけでなくオーツ(オートミール)を加えて作ります。

どっしりとした重量感があり腹持ちがよいため労働者階級の生活の中で広く作られ、11月5日の祝日「ガイ・フォークス・デイ(ボンファイヤーナイト)」に食べられています。

かつてはパーキンをお弁当代わりに朝家から持っていって勤務先の工場で食べるという労働者もいたようです。
安価な材料で作ることができる栄養価の高いお菓子としてイギリスの庶民生活に浸透していたことがわかります。

高級パウンドケーキを扱うお店

日本においてはパウンドケーキは高級洋菓子店でよく見かけるお菓子となっています。
ほどよい大きさで四角い箱の中に収めることができるということから、ギフトユースとしても人気が高く結婚式の引出物などにもよく使用されます。

都内のパウンドケーキの有名店としては、広尾や銀座にあるフランス菓子店の老舗「ルコント」があります。
こちらのパウンドケーキは「フルーツケーキ」という1本3000円を超えるかなりの高級品ですが、ふんだんに散りばめられた宝石のようなドライフルーツが特徴的です。

また下落合にある「エーグル・ドゥース」は個性的なパウンドケーキの店として有名で、色鮮やかなケーキが店内にずらりと並べられています。