紀元前より存在していたとされるチーズケーキ
チーズケーキといえば日本でもおなじみのケーキの種類です。
今やどのケーキ屋さんに行っても必ず置いていると言ってもよいほどメジャーな種類の一つですが、実はその歴史は古く紀元前の古代ギリシアまで遡ります。
最古の記録では紀元前776年の第一回古代オリンピックの時に選手に振る舞われたとされており、その後中世期には各国で独自の発展をしていくことになりました。
ただし日本において食べられるようになった歴史は意外に浅く、ほんの40年ほど前に初めて販売されるようになりました。
これは日本においてはチーズの製造が過去にはされておらず、贅沢な輸入品というイメージが強かったことから一般向けのお菓子としては作りづらかったからではないかと言われます。
世界中で広く作られているチーズケーキにはベーシックな「ベイクドチーズケーキ」だけでなく「スフレ・チーズケーキ」や「レアチーズケーキ」といった種類があります。
現在まで続くベイクドチーズケーキのレシピが完成したのは中世前期のポーランドと言われており、郷土菓子「セルニック」という名称で親しまれてきました。
この「セルニック」はのちにポーランド系移民がアメリカに持ち込むことで新たに進化をしていき、1872年にニューヨークでクリームチーズができたことにより一気に取扱をするお店が増えました。
日本独自に開発された「スフレ・チーズケーキ」
チーズケーキの中でも日本で最も馴染みが深いのは「スフレ・チーズケーキ」です。
「スフレ」とは「膨らんだ」という意味の単語で、卵白を泡立ててから材料を混ぜ合わせることで生地の中に沢山の空気を混入し柔らかい口当たりにしているお菓子です。
スフレチーズケーキは通常のスフレと少し作り方が異なっており、ベイクドチーズケーキの材料にクリームチーズとヨーグルト、もしくは牛乳とコーンスターチを使います。
普通のスフレは冷めても中の空気が抜けないフワフワとした生地になっていますが、スフレチーズケーキは冷めると縮んでしっとりとした生地になるところが特長です。
この製法は日本にチーズケーキが入ってきてから考案されたものと言われ、海外ではこのタイプのものを「ジャパニーズ・チーズケーキ」と呼んだりします。
口当たりが軽いことからカロリーが高くなりがちなチーズケーキの中でも比較的低カロリーとなっており、ダイエット中に食べるおやつとしても勧められています。
「レアチーズケーキ」は焼かないで作るというところが特長で、用意しておいたタルト生地の上にゼラチンや寒天で固めたクリームチーズを流し込んで作ります。
暑い日にも食べられる夏向けのお菓子として人気が高く、スティックタイプのアイスレアチーズケーキとしても多く見かけます。