元々はお菓子ではなかった!?
日本人にとって馴染み深いようかんは、「羊羹」という書き方をします。
実は羊羹とは、元々は中国の食べ物で「羊の羹(あつもの=熱い吸い物)」という意味で羊を煮込んだスープのことなのだそうです。
スープが冷めると羊の脂成分が固まってゼリー状になって煮凝りのような状態になります。
この羊羹が日本に伝えられたのは鎌倉時代のことで、当時の僧侶が持ち込んだそうです。
しかし僧侶は肉食ができないため、羊を煮込んだスープも口にすることができなかったため、羊の代わりとして小豆を使っていたそうです。
これが現在のようかんのルーツになったと言われています。
初期のようかんは現在の練りようかんとは違い、蒸しようかんでした。
材料は小豆と小麦粉、葛粉が使われており、甘さの決め手になっていたのは甘葛でした。
その後、江戸時代になってサトウキビから黒砂糖が作られるようになったのをきっかけにして練りようかんが作られるようになったという歴史があります。
練りようかんには餡と寒天が使われているので、蒸しようかんとは原材料が違うことがわかります。
ちなみに、蒸しようかんは現在のういろうや芋ようかんのルーツになっています。
夏の風物詩になっている水ようかんは、実は元々おせち料理に使うために考えられたものです。
現在でも福井県や栃木県ではおせちに入れている地方があるそうです。
練りようかんと大きく異なるのが作り方で、練りようかんは寒天を煮詰めることで作りますが、水ようかんは煮詰めずに作ります。
だから水分が多くなっているのが特徴です。
あっさりとした甘さを求めている方には水ようかんの方が好きだという方も多いですね。
参考:羊羹
ようかんのレシピ
餡の美味しさを堪能したい時にはやはり粒あんが一番良いと思います。
好みによってこしあんでも良いですが、今回は粒あんを使ったようかんの作り方をご紹介します。
用意するものは粒あん300g、寒天5g、砂糖100g、水100ccです。
寒天は棒状になっているもの、糸状になっているもの、粉末など色々な種類がありますが、どのタイプを選んでも良いです。
個人的には粉が一番使いやすいかなと思いますが、棒や糸状の寒天でも構いません。
ただし、粉末以外の場合はあらかじめ水に入れて戻しておくように準備してください。
お鍋に水と寒天を入れて煮て寒天が溶けたのを確認できたら、砂糖と粒あんを入れます。
粒あんはまとめて一気に入れるのではなく、少しずつ溶かすようにして入れてください。
これを煮詰めていきますが、鍋底が焦げ付かないように注意しましょう。
水分をどこまで飛ばすのかによって、仕上がりの柔らかさが変わってきます。
丁度良い固さになったら方に入れて冷やして固めると完成です。
お好みでこの中に栗の甘露煮を入れると美味しい栗ようかんができますよ。