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もなか

ココア

丸いお菓子の総称だった「もなか」

最中(もなか)といえばさっくりした生地の中に餡をたっぷり入れたお菓子として知られています。

このもなかの名前のもとになったのは、昔宮中行事である「月見の宴」のときに丸いお餅が出された時にその名称を尋ねられた公卿の一人が「最中の月」と答えたことだと言われています。

このときに出されたお菓子が丸いものだったため、しばらくは丸い形をしたお菓子のことを全て「最中」と呼んでいたということです。

それがいつしか餅を平たく伸ばしてそれを焼いたおせんべい状のお菓子のことを特に「最中」と言うようになり、さらに江戸時代に入ってからその薄いおせんべいの生地の間に餡を入れるようになったことで現在のようなもなかの原型ができあがりました。

現在の最中は餡だけでなく他にお餅や栗など別のものを入れることもあり、生地にフルーツを練り込んだりした新しいタイプの最中も登場してきています。

ちなみに最中の中に入れられる餡は一般的な和菓子よりも糖度が高めに作られることが多いということが特徴となっており、常温で保存をしていたりするとあとで中の餡の砂糖が結晶になってしまっていることもあるようです。

一般的な最中の種類について

最中類として一般的な和菓子屋さんで販売されているものとしては、シンプルに餡だけを入れた「小豆最中」の他、栗の実を入れた「栗最中」、餡の中にゴマを練り込んだ「胡麻最中」、大粒の小豆の種類である大納言を入れた「大納言最中」というものがあります。

最中の中に入れられる餡はこしあんが一般的ですが、大きなサイズの最中ではつぶあんを使用することもあるようです。

最中の皮は基本的にもち米100%で作られるようになっていますが、量販系のものでは別の素材を使っていることもあります。

和菓子屋さんや和風喫茶で出てくる最中のほとんどはもち米100%のものです。

最中は外側の殻となる最中種と中身の餡などによって作られるのですが、この外側の殻の部分だけを専用に加工する業者も国内にはたくさんあり、お店によってはオリジナルデザインのものを受注してくれることもあるようです。

最中の皮にもいろいろな種類があり、抹茶やココアなどを練り込んだり、着色をしたりすることで多くのバリエーションを作り出すことができるようになっています。

最中の名店は全国各地にあり、それぞれの地域特有の建造物や有名人をモチーフにしたものもよく見かけられます。

最中とマカロンの出会い

日本人にとっては丸くて小さな詰め物がされたお菓子といえば最中がすぐに浮かびます。

しかしそれと大変形状がよく似ているお菓子に「マカロン」があります。

「マカロン」はここ数年で急激に人気になったイタリア発祥のお菓子で、フレンチ系のスイーツショップでは必ずと言ってよいほど販売されています。

最中とマカロンは一見よく似たお菓子のようですが、最中は外側をもち米で作っているのに対し、マカロンは卵白とアーモンドクリームを使っているという全く異なった素材によっています。

しかしこの見た目がよく似ていることから、最近ではマカロン「風」の最中を作るお店も出てきたようです。

最中のさっくりとした生地の中にマカロンのような風味のある餡を入れるなど独自の工夫をしているところもあり、不思議と違和感なく食べることができます。