食事用のガレットがお菓子となったのがクレープ
クレープは日本でも人気の高いお菓子です。
本格的な専門店もあればお祭りの屋台でも販売されているなど幅広く作られているのが特長です。
屋台で簡単に作れてなおかつおいしいという使いやすさが魅力の一つで、工夫次第でたくさんの味わいを出すことができます。
今でこそすっかりお菓子の代表格のようなイメージが定着しているクレープですが、もともとはフランスで食事として食べられていた「ガレット」という食べ物が変化したものです。
発祥はフランスのブルターニュ地方と言われており、当時は小麦を育てることができないほど土地が荒廃していたため生命力の強い蕎麦を栽培していました。
蕎麦は中国原産のものがイスラムの国に伝えられ、十字軍のときにフランスに持ち込まれるようになりました。
以降蕎麦粉を薄くひいて焼いた「ガレット」が主食として用いられるようになり、それがのちにクレープとしておやつに食べられるようになります。
クレープができたのは19世紀に入り鉄道が発達してからのことです。
鉄道により小麦の肥料が手に入るようになり、ブルターニュ地方でも小麦が育つようになったことでガレットの原料も蕎麦から小麦になりました。
今も現地に行くと「クレープリー」というクレープを扱うお店があり、そのメニューにはクレープとガレットのいくつかの種類が記載されています。
1977年に原宿で販売されてから大ブームに
日本でクレープが一躍有名になったのは1977年に起こったクレープブームからです。
この年はラフォーレ原宿のすぐ近くに「カフェクレープ」というお店ができた時期で、原宿竹下通りを歩く時に片手に持って歩くというスタイルがブームとなりました。
クレープという食べ物はそれ以前にもあったのですが、フランス本国で広く作られている生地がパリパリになるまで焼くという方法が取られていました。
そこでカフェクレープではより日本の若者に受けるようにとしっとりとした生地の中にフレッシュな果物や生クリームをたっぷり入れて食べ歩きできるように改良をしました。
カフェクレープが大ブームとなったことから一気に全国に同様のクレープ店ができることになり、メニューも飛躍的に多く増えます。
なおカフェクレープは現在も営業しており昼間からたくさんの人が列を作っている様子が見られます。
竹下通りの観光スポットにもなっているようで、東京観光に訪れた人にもよく好まれます。
ブームが一周した感がある現在では、本家フランス式のクレープを出すお店も出てきているようです。
外苑前にある「PARLA」というお店は「大人のためのクレープ」をうたい、パリパリになるまで焼いた生地をナイフとフォークで食べる高級クレープを提供しています。