ザッハトルテの歴史と「甘い7年戦争」
ザッハトルテは世界で最も有名なチョコレートケーキです。
ヨーロッパにはチョコレートを特産品としている都市がいくつかありますが、その中の一つであるオーストリア・ウィーンでザッハトルテは作られました。
日本においても有名なザッハトルテですが、商品名として「ザッハトルテ」を使うのは商標上問題がある行為です。
というのももともとザッハトルテという名称を巡っては、創始者であるザッハ家と、親類関係にあたったデメル家とで「ザッハトルテ」をめぐる訴訟が起こったという歴史があるからです。
この商標をめぐる争いのことを「甘い7年戦争」と言い、判決では最初にザッハトルテを作ったザッハ家の方の権利を認めるとし、デメル家はケーキを売ることは禁止しないが「オリジナルザッハトルテ」という名称を使用してはいけないこととなっています。
とはいえ既に「チョコレートケーキ=ザッハトルテ」という認識が世間的に持たれるほど有名になったお菓子なので、あまり厳密に名称については言われなくなってきています。
日本にも分家である「デメル」がチョコレートショップとして出店していますが、メニューに堂々と「ザッハトルテ」と記載しています。
なおオーストリアの本店に出かけてみると、デメルのお店のメニューにはきちんと「デメルのザッハトルテ」という表記になっています。
スイーツファンなら絶対に知っておきたい本物の「ザッハトルテ」
スイーツファンの間でもチョコレートは人気の高いお菓子です。
チョコレートを使った黒いケーキは見ているだけでよだれが出てきそうな濃厚な風味と甘い香りを持った魅惑のお菓子です。
しかしただチョコレートを生地に練り込んで表面をチョコレートでコーティングさえすればそれでザッハトルテが出来上がるというわけではありません。
製品の中には「ザッハトルテ」をうたっていながら製法の異なる「ニセザッハ」が時々混ざっているので、スイーツ好きを自認するなら正しいザッハトルテについて知っておきたいところです。
正しいザッハトルテは小麦粉・バター・砂糖・卵にチョコレートを入れて生地を作り、あんずジャムを塗った後に表面全体をチョコレートでコーティングするという方法をとっています。
本格的なザッハトルテでは生地に砂糖を入れずに作り、後付で生クリームをたっぷりつけて食べるという方法がとられたりします。
ザッハトルテとよく似たお菓子に、フランス菓子の「ガトーショコラ」や「ガトーオペラ」「ブラウニー」があります。
基本的に中にジャムを用いているかということがポイントになりますが、その違いがわかるようになってくるとまたチョコレートケーキを食べる楽しみも広がっていきます。